ドイツ出身のピアノ奏者ハウシュカ氏、人気あるようです。特に女子からの視線が熱いようで、いいなー、僕も目を青くして足を長くしようかなー(無理)。
10月23日の東京ソロコンサートの終演後にちょこっと彼と話せたのですが、興味ある人が(僕の予想より)多いようだし、僕自身にもおもしろいこと(interesting)を言っていたので、ココに簡単にまとめました。
とはいえ、正式に取材オフォーしていないし、あくまで個人間の会話だし、僕の英語能力もあやしいので、公開範囲は「知り合いの知り合い」までに制限します。あくまで僕個人の備忘録だとご認識ください。
※テキトウなところやあいまいな個所は{}で、英語のニュアンスを残したい個所は()でくくりました。
また内容はすべて臼井に責任がありますので、ここに書かれていることを根拠に、ハウシュカ氏本人に妙な印象を持ったり、文句つけたりしないように。
あと、文体は臼井のニュアンスですので、イコール本人の人格と受け止めないでください
う「エフェクターを多用していたけど、なにかそーいうバックグラウンドはあるんですか?たとえばフュージョンをやっていたとか?」
ハ「違う違う。ヒップホップが好きなんだよ。よく{ずっと?長く?あいまい}作っていたし、未だにいつだって心にヒップホップをイメージしている{あいまい。keep in my mind? in my heart? all time? every time? always?}」
う「え?クラフトワークじゃないの?」※クラフトワークはドイツ出身のテクノの大御所。ハウシュカ氏はドイツ出身なので、てっきりその系統と思っていたのだが・・・
ハ「それはエレクトロ(electro)でしょ?じゃなくて、ヒップホップ、しかも超初期の(very early)。知ってる?」
う「あー、パブリック・エネミーとかアフリカ・バンバータとか?」
ハ「ん゛~、それより前で、ん゛~、グランドマスター・フラッシュ(Grandmaster Flash)だな」
う「あぁ!超ビンボーで、高い機材を買えなかった時期でしょ!安い機材しかないぶん、逆にかっこいいんだよね。凝っているっつか、努力しているっつか」※ヒップホップについては最後に捕捉します
ハ「そうそう(Yes, Yes!)」※彼は大きくうなずきYes, yesと言うことが多いチャーミングなひとでした
う「近頃のヒップホップだと、中東の若い人たちが作っているヒップホップが、おもしろいですよね?ビンボーだから安い機材しか買えないので、状況が似ているっつぅ。。。」
ハ「そうそう(Yes, Yes!)」※中東の音楽シーンをちゃんとチェックしている模様
う「ブルーノート(m3, b5)をあんま鳴らしてなかったですね。ジャズとかブルースとかはやらないの?」
ハ「うーん、部分的には取り入れたりしている{あいまい}。でもねー、クリシェ(cliche)なんだよねー。clicheってわかる?」
う「わ゛かるわかる゛!スタンダード、スタンダード、スタンダードの世界でしょ?枯葉、Fly me to the moonとか?定番、定番、定番曲の世界だからなー」※clicheは紋切型とか決まり文句みたいな意味
ハ「そうそう、『定番のあの曲』ばっかなんだよー。なんかねー。」
う「ヒラリー・ハーンとのコラボ映像をyoutubeで見ましたが、彼女についても『おクラシックのひと』ってイメージがありましたが、全然違いそうですね」
ハ「彼女はオープンなひとだよ{she is open to- , she has a opened mind? あいまい}。自由な心のひと(free mind?だっけ?忘れた)。視野のせまーーーーーーーーーいひとじゃない」
う「先入観(impression)持っちゃいけませんねー」
ハ「そうそう」※どうも、そこにそうとう苦労してきた(している)印象でした
う「クラシック音楽は?」
ハ「そーいう背景があるから{あいまい。background, basement, I have trained どれだっけ?}」
う「ありがとう。お話しできてよかったです。見ていて多くの着想点(inspiration)と、いろんなアイデアを思いつきました」
ハ「こちらこそ。ぜひ自分の音楽を続けてください」※と、励まされたような。英語的に追えなかったのですが、『自分独自の』『自分自身の世界を』『自分自身の価値観を』『自分自身の旅を』ってニュアンスのこと言っていたような・・
ハ「11/4 wwwのヤン富田はすごく楽しみにしている。彼もヒップホップのひとだ」※どうも以前から聞いていて、そうとうリスペクトしている模様
Hip Hop(ヒップホップ)ってのは、1970年代後半に、アメリカはニューヨークの貧民黒人街エリア(ブロンクスだっけ?)で起きた文化的ムーブメントの総称。
ヒップホップの初期の立ち上げに関わった人たちのドキュメンタリー映像を臼井は見たのですが、登場人物全員が異口同音に言っていたのは、
「ヒップホップはカルチャーの総称だ。ラップではない。特定の音楽のジャンルでもない」
「ヒップホップは1.MC 2.ターンテーブル 3.ダンス 4.グラフィティ(落書き)などからなる。どれも対等で、必要な要素だ。」
「ヒップホップは貧しい地域で、お互いのケンカ、ナイフや銃でのトラブルが絶えない環境で生まれた」
「いろんなグループ(ギャング)がケンカばっかしていたけど、それじゃどうにもならない。だから、ダンスや、MCや、グラフィティで勝負し、負けたほうが勝ったほうに従うことにした。でもお互いにリスペクトは保った」
「ヒップホップはナイフや銃じゃない。平和的でポジティブな方向への解決だ。近頃のヒップホップはナイフや銃のイメージで売り出している。ありゃヘンだ」
「元はジャマイカ人だ。ジャマイカ人のDJがいた。あのころはターンテーブルとかMCなんて言葉すらなかった」
「自分たちは貧しかったから、白人のクラブには行けなかった。そして、アレは音楽的にダサかった(笑)。だから、ジェームス・ブラウンやマイルスのレコードをかけていた」
ってあたりです。ドラム引っこ抜いただけ、ラップしてるだけだと、ヒップホップじゃないぞ、と気づかされた次第です。
また、札束や若い女が出てくるギャングスター気取りの映像戦略(プロモーション・ビデオ)もヘンだと。※みんな50セントをよく言ってなかった
そしてハ氏と臼井の上記の会話に戻ります。
一般的にヒップホップは、1980年代のパブリック・エネミー以降と思われていますが、それは商業音楽としてMTVなどの放送媒体への露出が始まったのがその時期からってことで、文化としては1970年代からあったのでした。
ゆえに、ヒップホップ初期を1980年代初頭と言うか/1970年代と言うかで、そのひとの音楽観と知識がわかるんですが、ハウシュカ氏は後者で、ちゃんと1970年代ヒップホップを知っていました。
しかしこれ、知っているひと、あんまいないので、初期ヒップホップと言われると、臼井はとりあえずパブリック・エネミー?と反応しますし、たいていの人も「そうそう」となるのですが、今回は「そうじゃないぞ」と会話が進んだめずらしいケースだったのです(ヤン富田のファンと言っているコトからも、氏の造詣の深さが伺えますね)。
なお、ヒップホップ誕生の時期については、その後、理解のある議員さんの働きかけにより(エスパーダ氏)、ニューヨーク州が1973年11月を『ヒップホップ歴史文化の月』と公式に決定しています。
ヒップホップ文化についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひこちらの映像作品をご覧ください。ヒップホップの初期に関わった人たちにインタビューして回った貴重なドキュメンタリーです。
ヒップホップ・レジェンド
http://www.amazon.co.jp/dp/B000CNEDTE
※1点のレビューがついているけど・・・・(苦笑)
※関連記事※
ハウシュカ 日本ツアー 2014(10/21 – 11/4)
http://windbelljournal.blogspot.jp/2014/09/hauschka-japan-tour-2014.html
ハウシュカ 公式youtubeチャンネル
https://www.youtube.com/user/hauschka
ハウシュカ wikipedia ※英語のほうが情報量が多く、ヒップホップを作っていた時期についても書かれています
http://en.wikipedia.org/wiki/Hauschka
今のところ最新作で、ソロピアノ作品。といってもエフェクター使うわ、ピアノにいろいろ取り付けて音色を拡張するわで、一聴しただけではソロ作品とはわからず、驚かされるでしょう。国内盤だけ、未発表10曲収録のボーナスディスクがついていまして、内容もいいので、どうせ買うなら上のリンクからの国内盤をオススメします
こちらはハウシュカの作曲作品。もちろん本人のピアノも登場しますが、ストリングス、管楽器、パーカッションと、いろんな楽器が多彩に登場し、楽しく聴けます。これまた国内盤には、6曲収録のボーナスディスクがついておりまして、内容もいいので、どうせ買うなら(以下略)
女性のクラシック・バイオリン奏者としては、若いながらもビッグネームのヒラリー・ハーンとのコラボ作品。ヒラリーはバチカンでローマ法王にも演奏した凄腕ですが、ここでの両者はのんびりと開放的な音楽を展開しており、敷居の高さは心配ありません